「信じます、君の可能性 伝えます、学ぶ心」  フェニックス アカデミー

今月のコラム 文⁄塾長 大山重憲

2013年12月

MISSION

自宅前の公園の桜もすっかり紅葉し、落ち葉が茶褐色系のジュータンを織りなしています。

愛犬インディの散歩と体操・スクワットが毎朝の日課となって4年が経とうとしています。短パン・Tシャツで外に出た瞬間に汗が噴き出た真夏には、長袖・長ズボンのジャージにマフラーを巻いて手袋をしても冷気に顔面が凍る冬など想像もできなかったのに、今、その冬を迎えて白い息を吐きながら町内の家々のサザンカの花を愛でたりしていると、あの夏のことが嘘のようです。

元はと言えば、長男が小学5年生の2月、所属していた少年野球チームで親子大会があり、経験したことのないピッチャーを任され、全身全霊で全力投球した翌日、全身が痛み発熱してダウンし、通っていたフィットネスクラブで水中ウォーキングだけやっていたのでは体力増進に効果なし、と、体力筋力の必要性が身に染みて即日退会し、今の日課が始まったのでした。以来、今年の4月からスクワットの回数を50回から30回に減らし、夏からは背筋の筋トレを取り入れ、10月からは松本大学大学院健康科学研究科准教授の根本賢一氏の講義を聴いて腕立て伏せとインターバル速歩をメニューに取り入れました。効を奏して、毎年行われる高校PTAのスポーツ大会でのソフトボールでは5年連続ショートのポジションで、今年は今までで最も軽快なプレーができ、「継続は力なり」を実体験したところです。

「健全な精神は健全な肉体に宿る」ことも、「知力・体力」が人の財産であることも実感して久しいのですが、毎朝の日課は自分が自分に課している「ミッション」でもあります。時には億劫になることもありますが「サボる」ことは自分のプライドが許さないのです。インディが「散歩に連れて行け」と吠え立てるから、というのもありますが…。

そして、もう一つのミッション。 母が介護福祉施設で生活するようになって3年10か月が経ちます。当初は歩くこと・食べること・話すことも多少はできたのですが、今は全く、です。寝たきりの状態で、食事も完全介助です。調子が良い時は背もたれの高い車椅子で食堂で摂りますが、調子が芳しくない時はベッド上で摂っています。介護士の方々がほぼ付きっ切りで介助して下さりますが、父は毎昼、弟は日曜日の昼、私は土日の夕、と基本的に分担して介助に通っています。6月には「三か月、長くて六か月の余命」と宣告されました。

知人のある一言がきっかけとなり、8月からは毎日通うようになりました。施設のスタッフの皆さんには感謝の限りですが、軋轢もなかったわけではありません。やはり肉親ですから、温度差がどうしてもあるわけです。必要な検査はすべて受け、最適な看護・介助の方法も確認し合い、いろいろな波を超えて、今ではスタッフの方々とも心を通わせられるようになり、私としては円満な関係が築け、母の介助も円滑になされていると思っています。今や「余命何か月」という状態も消滅し、とにかく寿命を全うして欲しいという一心で、毎日通っています。

家族にとってできることは、本当に限りがあります。しかし、その限りある中で、自分のできることのすべてをし尽すこと。できるならやる。毎日通ってできることをする。それが自分のミッションだと自覚しています。

自分の立ち位置、責任分担を全うすることの大事はよく言われることではありますが、その前に、自分の責任分担は何なのかの自覚をしなければなりません。職場でも家庭でも、どこででも、その自覚がとても大切に感じます。そしてまた、気付いたら、気付かせてあげることも同時に必要です。なでしこジャパンの佐々木則夫監督も「説明のスキルアップ」の大事を説いていますが、私も耳が痛いところです。

一つの組織体はTEAMとして、強く結束することの大事を痛感させられる毎日です。

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