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今月のコラム バックナンバー 文⁄塾長 大山重憲
2011年1月
価値
インドのある水汲み人足は二つのツボを持っていました。
天秤棒のはしにそれぞれのツボを下げ、首の後ろで天秤棒を左右にかけて、
彼は水を運びます。そのツボの一つにはひびが入っています。もう一つの完璧なツボが、小川からご主人様の家まで一滴の水もこぼさないのに、ひび割れツボは人足が水をいっぱい入れてくれても、
ご主人様の家に着く頃には半分になっているのです。完璧なツボは、いつも自分を誇りに思っていました。なぜなら、彼が作られた本来の目的をいつも達成することができたから。
ひび割れツボはいつも自分を恥じていました。なぜなら、彼が作られたその本来の目的を、彼は半分しか達成することができなかったから。
二年が過ぎ、すっかり惨めになっていたひび割れツボは、ある日、川のほとりで水汲み人足に話しかけました。
「私は自分が恥ずかしい。そして、あなたにすまないと思っている。」
「なぜそんなふうに思うの?」
水汲み人足は尋ねました。「何を恥じているの?」
「この二年間、このひびのせいで、あなたのご主人様の家まで水を半分しか運べなかった。水が漏れてしまうから、あなたがどんなに努力をしても、その努力が報われることがない。私はそれがつらいんだ。」ツボは言いました。水汲み人足は、ひび割れツボを気の毒に思い、そして言いました。
「これからご主人様の家に帰る途中、道端に咲いているきれいな花を見てごらん。」天秤棒にぶら下げられて丘を登って行く時、ひび割れツボはお日様に照らされ美しく咲き誇る道端の花に気づきました。
花は本当に美しく、ツボはちょっと元気になった気がしましたが、ご主人様の家に着くころには、また水を半分漏らしてしまった自分を恥じて、水汲み人足に謝りました。
すると彼は言ったのです。
「道端の花に気づいたかい?花が君の側にしか咲いていないのに気づいたかい?僕は君からこぼれ落ちる水に気づいて、君が通る側に花の種をまいたんだ。そして君は毎日、僕たちが小川から帰る途中、水をまいてくれた。この二年間、僕はご主人様の食卓に花を欠かしたことがない。君があるがままの君じゃなかったら、ご主人様はこの美しさで家を飾ることはできなかったんだよ。(作者不詳 菅原裕子訳)
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2010年、皆さんにとってどんな年だったでしょうか?
2011年、よいお年をお迎えください。