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今月のコラム バックナンバー 文⁄塾長 大山重憲
2010年12月
秘訣
兵庫県和田山町という田舎の小学校の一教諭であった英男先生 (現在、立命館大学教授、元中央教育審議会委員)が、ゆとり教育に反発し発言していた時、 「100ます計算」をはじめとする徹底反復練習が学力向上のカギとしてNHKの「クローズアップ現代」で報道され、一世を風靡した。その先生の娘さんが東大に合格した。 次に紹介するのは英男著「娘が東大に合格した本当の理由」からの抜粋です。
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一般の論調を見ていると、東大合格のカギは少しでも早くから高度のことを勉強させ、いい塾や中高一貫校に通わせ、目標を早期に決めて努力させることのように思える。
だが、私の今までの実践からも、そして娘の成長の過程から見ても、最も重要なのは、脳の活力がたくましくあるということだ。私は山口県山陽小野田市で学力向上プロジェクトを行っている。その結果わかってきたことだが、子供達の生活習慣というのは学習成果に決定的な影響を与える。また、読み書き計算の徹底反復によって、脳の活力は短期間に爆発的に成長するということもわかってきた。
「あ〜、こんな時間まで起きていたの初めて。」
これは午前1時の娘の発言だ。いつのことかといえば、下宿を決め、東京に引っ越す前日、つまり今年の春のことである。思い返せば、娘は早寝であった。我が家のルールが唯一大目に見られる日、大晦日ですら紅白歌合戦を最後まで見たことがなかったくらいである。東大への受験勉強でも、世にイメージされがちな夜中までガリガリ勉強することはなかった。
山陽小野田市のプロジェクトでも、このことははっきりデータで示されている。これによると国語・算数の学力、知能指数ともに「8時〜9時」に寝る子が最も多く、以降、遅くなるにしたがって下がっている。特に「12時以降」の下がり具合は顕著である。ただ、いくら早寝とは言っても、早すぎるのも良くない。これは多くの人間にとって、適切な睡眠時間というものが存在するということを意味する。
起床時刻は、7時までに起きるかそれ以降かで、差が見られる。さらに広島県の学力調査のデータでは、7時間から9時間の睡眠時間が平均的に最も学力が高く、それより短くても長くても下がるということが示されている。
・夜は9時までに寝て、朝は遅くとも7時までに起きる
・睡眠時間は7〜9時間とる
この二点が学力・知能を向上させるには必須の生活習慣であることが重要なのである。