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今月のコラム バックナンバー 文⁄塾長 大山重憲
2010年7月
贈る言葉
友人とたくさん話そう。いろんなことを話そう。それは単なるお喋りではない。自分の話したことは、自分が信じたいと思っている具体的な事柄なのだ。腹を割って友人と話すことで、自分が何をどう考えているかがはっきりと見えてくる。
また、その人を自分の友人とすることは、自分がその友人の中に尊敬すべきもの、人間としての何らかの憧れを抱いているということだ。それゆえ、友人を持ち、互いに話し合い、互いに尊敬していくのは、人間が高まるうえでとても大切なことだと言える。〜『ツァラトゥストラはかく語りき』より
いつも敏感で鋭くある必要はない。特に人との交わりにおいては、相手の何らかの行為や考えの動機を見抜いていても知らぬふうでいるような、一種の偽りの鈍さが必要だ。
また、言葉をできるだけ好意的に解釈することだ。 そして、相手を大切な人として扱う。しかし、こちらが気を遣っているふうには決して見せない。 相手よりも鈍い感じでいる。
これらは社交のコツであるし、人へのいたわりともなる。〜『人間的な、あまりに人間的な』より
キノコは風通しの悪いじめじめした場所に生え、繁殖する。
同じことが、人間の組織やグループでも起きる。 批判という嵐が吹き込まない閉鎖的なところには、必ず腐敗や堕落が生まれ、大きくなっていく。
批判は、疑い深くて意地悪な意見ではない。 批判は風だ。頬には冷たいが、乾燥させ、悪い菌の繁殖を防ぐ役割がある。だから批判は、どんどん聞いた方がいい。 〜『人間的な、あまりに人間的な』より
他人をあれこれと判断しないこと。他人の値踏みもしないこと。人の噂話もしないこと。
あの人はどうのこうのといつまでも考えないこと。
そのような想像や考えをできるだけ少なくすること。
こういう点に、良き人間性のしるしがある。〜『曙光』より
ニーチェの言葉から抜粋してみました。学生時代はニーチェといえば唯物論者・無神論者・虚無主義者として敬遠していたものですが、改めて彼の著作を紐解いてみると示唆に富んだ珠玉の言葉がちりばめられているのには心踊らされました。
心に浸みわたってくるようでした。現実に即した恩師の言葉のように。