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今月のコラム バックナンバー 文⁄塾長 大山重憲
2010年4月
その先へ
先日、塾生との会話です。
「頑張れって、人を励ます言葉として便利な言葉だよね。」
「でも先生、努力するって当たり前のことだって友達が言ってた。
その先があるんだって。」
「その先?その先って何があるの?」
「燃え尽きる。だって。」
「えっ…!」
「…。」
「どうしたら燃え尽きることできるの?」
「今日しかないと思ってやる。明日はないと思ってやる。」
「そう思ってやったことある?」
「あるよ。」
「あるんだ。いつ?」
「受験の時。入試一週間前は今日しかないと思ってやってた。」
「燃え尽きたんだ…。」
「うん、燃え尽きた。でも、皆が皆できるとは思わないよ。私も体調悪くなったり精神的に参ったりしたし、入試一週間前だからできたこと。余程精神的に強くないとできることじゃないと思う。」
「じゃあ、君は精神的に強い?」
「強くないから一週間しかもたなかった。」
「燃え尽きたらその後何もなくなっちゃうよね。」
「うん。だから私、入試が終わったら何もする気なくなっちゃった。」
「燃え尽き症候群ってやつだね。」
「でも、すごくいい経験した。いざとなったら私またあの時のようにやれると思う。」
「君もずいぶん逞しくなったね。」
*
頑張るその先があったとは。知ってびっくりでした。
自分は燃え尽きたことがあっただろうかと振り返ってみた時、「あの時も、あの時も…。」結構思い出されてきました。今となっては懐かしい思い出ですが、当時は確かに「燃え尽きて」いました。そして同時に年輪となって刻まれていることを確かめることができました。
これからも燃え尽きることがあるんだろうか。平穏でいたいと思いながらも 自分の性格上、またやってくるであろう津波のような試練を思い 身震いさせられたひと時でした。